こんにちわ!!
AMI豊田店下別府です。
本日は、ゼニスに関して少し歴史をひもといてみたいと思います。
今回のブログはある時計職人のお話ですが、仕事を全うし、大きな功績を残した男の話でもあります。
長文になります故、お時間のある時にご覧頂きたいと思います。
『シャルル・ベルモ』
この言葉を聞いた事がある方もいらっしゃるかと思います。
「ゼニスの昔の技術者でしょ?」
ーーーー『はい、正解です♪』
「最近のゼニスから発表される青い文字盤の時計についてる名前だね」
ーーーー『はい、その通りです♪』
「エル・プリメロを救ったんだよね?」
ーーーー『はい、よくご存知で!!』
シャルル・ベルモ氏とは、この方です。
この方は、もとよりゼニスで時計製造に従事した職人さんです。
腕時計を3世紀早めたと言われるブレゲ氏のような伝説的な天才時計職人でもなく、
現代最高の時計職人と言わしめるフランクミュラー氏の様な斬新な時計を次々に開発を行ったわけでもありません。
もちろん優秀な職人である事は間違いありませんが、前述の様な華々しい経歴と共に自分の名を関したブランドを立ち上げる!!
といった様なタイプの方ではなく、長年に渡りゼニスで時計製造に携わり会社を支えた、まさに「職人」と言われる技術職の方です。
ゼニスについて興味が出て、少し調べてみると必ず出てくるのがシャルルベルモ氏に関する偉業。
そのあまりにも有名な偉業を詳しく記すと下記の通りです。
『1969年、ゼニスは長年の開発期間を経て世界最高精度の自動巻クロノグラフを発表した。
しかしその後世界がクォーツショックに陥り、ゼニス社もその流れには逆らえずアメリカの企業に買収されてしまった。
その買収会社の上層部の指示でゼニスは機械式時計の製造を辞め、クォーツ式時計の製造を行う事となる。
その為、今後不要な機械式時計に関する資料や工具は全て破棄する様指示が下りました。
当時の工房の責任者であるシャルルベルモ氏は、会社に対して、これまでの時計製造に関わる資料や工具がどれほど価値がある物なのか、大切な物なのかを会社に説得を試みました。
ただしそれでも会社の指示が変わる事はありませんでした。
指示されていた機械式時計を製造する工具類の破棄をせずに屋根裏に隠しました。
ただしその資料は膨大で、工具の金型だけでも150種にも及びます。
総重量は1トン以上にも上ります。
それらを全てラベルを付け、製造工程を記した資料を詳細に残して置きました。
数年後に機械式時計が改めて脚光を浴びた時に、シャルルベルモ氏はその隠していた工具類を出して来たのです。それによりまたエル・プリメロを作る事が可能となりました。』
ある時この事象に関して、初めてしっかりと考えてみました。
私、トリハダが立ちました。
時代背景や、あらゆる角度から考えて見た時やはりシャルルベルモ氏の功績はとてつもなく大きい。
当ブログをご覧頂く方は比較的にお仕事をされている方が多いかと存じますが、皆様もご自身に置き換えて少しだけイメージをして下さい。
自分が長年行ってきた仕事が、時代の変化と共に必要とされなくなりました。
それにより業績は悪化の一途、その為会社が買収され全く新しい事をする事で活路を見出していく事となりました。
その時、上司に対して、社長や上層部に対して、会社に対してその方針転換を直接批判、もしくは変えない様に説得する事ができますか?
その説得に会社が一切聞く耳を持たない状態で、会社の指示に反してその資料を残すという決断ができますか?
その瞬間には数十年後にその行為が讃えられるという事は一切考えられない状況です。
いち会社員として、男としてシャルルベルモ氏の行為に心を打たれました。
自分の仕事に大きな誇りと、信念を持った行動はそう簡単な事ではありません。
まさに会社の窮地を救った英雄です。
彼が退社する時に、ゼニス社から時計を贈られました。
深く、そして美しい青色の文字盤の腕時計でした。
彼が偉業を行った年に敬意を評した1975本の限定数。
そして彼の偉業を讃えたゼニスの美しい想いを乗せた青文字盤。
それをシャルルベルモトリビュートとして今も発売されております。
腕にする事で誇りと、強い信念が宿る想いのする時計。
『シャルルベルモトリビュート』シリーズのご紹介です。
【エルプリメロ 410】
REF:03.2097.410/51.C700
ケース径:42mm
防水性:100M
価格:¥1,100,000-(税抜)
【クロノマスターパワーリザーブ】
REF:03.2085.4021/51.C700
ケース径:42mm
防水性:100M
価格:¥970,000-(税抜)
【36,000VpH】
REF:03.2014.400/51.C496
ケース径:42mm
防水性:100M
価格:¥870,000-(税抜)