2019年に、3針モデルである「BR05」が発表され、
2020年には、BR05のクロノグラフモデルが発表されました。
発表後から今に至るまで、
大変人気で、今も品薄の状態が続いているBR05の魅力と、
どのようにこのシリーズが誕生したのか?
ベル&ロスの創業者である、
ブルーノ・ベラミッシュとカルロス・ロシロへのインタビューも踏まえ、
迫っていきます。
目次
◎BR05が誕生するまでにベル&ロスが生み出したBRたち
◎TIME INSTRUMENTS FOR URBAN EXPLORERS
都市を探検する人々のために誕生した計器 BR05
◎今までに誕生している他のブランドのケースとブレスレットの一体型モデルと
ベル&ロスBR05は何が違うのか?
◎コレクションのキーワードでもある“アーバン”を感じさせるための
ブレスレットに隠された秘密
◎BR05を製作するのに苦労した点
◎この新しいコレクションについて最も称賛すべき点は?
◎BR05は、ベル&ロスのファーストユーザーのためのもの?
◎シースルーバックから見られるローターのデザインは、
クルマのホイールリムをイメージ
質問者:
戦闘機のコックピット計器をそのまま取り出した様なコンセプトで、
大きさも実際に使用されている計器と同じ大きさで作られたBR01。
本格的なダイバーズウォッチとして誕生したBR02。
BR01をより腕時計として使いやすくサイズダウンを行い、
日付表示も装備したBR03。
そして、ユニセックスで使用でき、ビジネスユースでも使えるように薄く、
小さくなったBRSシリーズ。
このように様々なニーズに合わせ、
かつベル&ロスの個性をふんだんに活かしたモデルが発表されており、
多くの時計ファンを魅了してきました。
このようなBRシリーズの延長線上にあるのが、BR05です。
しかしながら、BR05コレクションは、
他のコレクションとは全く異なる性質を持っています。
革新性は追い求めつつ、ブランドの軸からぶれないようにするには、
どのような工夫をされたのでしょうか?
カルロス・ロシロ:
挑戦は何かをやろうという意欲の源泉になります。
問題は、私たちのコレクションがこれから5年10年にわたって、
どのような進化と方向性があるのかを知ることでした。
私たちは新作が必要とされているマーケットで戦っています。
常に革新的なものを生み出さなくてはならず、
ダイナミックで、夢を持続するものを創造しなくてはなりません。
そうした試行錯誤の中、
Bell&Rossの象徴的なケースに、スティールブレスレットを合わせた
時計を創りたいと思うようになりました。
考え方としては、
過酷なプロフェッショナルな世界から、
都市景観への移行です。
つまり、オフロードからオンロードへ。
BR05の誕生で、私たちは都市の冒険者にむけた
インストゥルメントを開発することができました。
◎TIME INSTRUMENTS FOR URBAN EXPLORERS
都市を探検する人々のために誕生した計器 BR05
質問者:BR05は何からインスピレーションを受けましたか?
カルロス・ロシロ:
ベル&ロスの新たなコレクションである「BR05」は、
ブランドの理念である「視認性」、「機能性」、「信頼性」、そして「高精度」。
この言葉に忠実に従い、
都市に相応しい毅然とした外観と使用感を特徴としています。
インスピレーションを受けたのは、
もちろん我々のメインコレクションである
BR03コレクションと航空計器です。
BR05は、BR03の進化系で
オフロードからインロードというスタイルです。
自信に満ちたスタイルは、都会のエネルギー、リズム、豊かさを引きたて、
BR05は、都市を探索する者たちに向けた時を刻む計器なのです。
◎今までに誕生している他のブランドのケースとブレスレットの一体型モデルと
ベル&ロスBR05は何が違うのか?
質問者:ブランドにとって初となるケースとブレスレットの一体型モデルですが、
時計史を見渡せば他ブランドでも似たモデルが発表されています。
「BR05」は他のブランドのモデルとどこが違うのでしょうか?
ブルーノ・ベラミッシュ:
「BR05」は1つとなるために、完全にケースとブレスレットが一体化しています。
このようなデザインは、クオーツ革命(クオーツショック)が起こった
70年代に登場し、この動きに反応したような形で登場しました。
創造性のブームともいえる時代において、
最初にデザインされた時計では、
ブレスレットは、ケースから継続しているデザインとして、
考えられていました。
ジェラルド・ジェンタ氏と同様に、
当時の日本の時計にもそのような兆候は見られたと思います。
「BR05」にとってブレスレットは単なるケースの付属ではなく、
コレクションを特徴づけるディティールであり、明確な個性です。
ネジも装飾品ではなく機能を伴ったものであり、
文字盤の“丸”も基本要素です。
このコレクションは、スタート以前から持っていた
我々のDNAによって描かれたものです。
他のブランドではこのような事例は知り得ません。
ジェンタ氏も四角の中に丸というデザインはしていませんし、
ベル&ロス本来のものなのです。
また、他と比べるとデザインとプロポーションおかげで、
このコレクションはよりモダンで現代的かもしれません。
各パーツのボリュームは、
見事に制御されながら全体を成し、
凛とした佇まいをみせています。
◎コレクションのキーワードでもある“アーバン”を感じさせるための
ブレスレットに隠された秘密
質問者:
コレクションのキーワードでもある“アーバン”を感じさせるための
ブレスレットに隠された秘密はなんですか?
ブルーノ・ベラミッシュ:
ガタつきがなく、直線のラインではない流麗で
完璧なラインを描くテーパードスタイルであることです。
また長さに対し、
固定駒から調整駒にかけて流れるようなテーパードラインから
ストレートなラインを描き、
非常に均整が取れています。
“アーバン”であるためには“ジュエリー”の側面がなくてはいけません。
その要件を満たすために
ブレスレットの造りも手をかけ、
サイズ感、仕上げ、中央駒をポリッシュ、それ以外はサテンで仕上げています。
バックルはあくまで、軽量で薄く、
美観を損なわないよう気を配りました。
結果として、非常になめらかで装着感が良いものに仕上がりました。
私はこういう快適でエレガントなものが好きなのです。
◎BR05を製作するのに苦労した点
質問者:「BR05」を製作するにあたって、苦労した点はどこでしょうか?
ブルーノ・ベラミッシュ:
ブランドらしさを保ちながら、どんなスタイルにも合わせやすく
日常的に着けられるようにする点です。
ダイヤルの大きさについても頭を悩ませました。
40mmならあらゆることが出来ますが、
技術的な縛りから適正なサイズをどこに落とし込むかが難しい点でした。
視認性を考えれば最大限大きくしたいですが、
防水パーツに必要なスペースも十分に取らないといけません。
最初の試作品では小さすぎたことも頭を悩ませました。
ケースサイズを変えずに、あらゆることを試しました。
また、ケースからブレスに落ちる角度を色々と試した結果、
50度がユニバーサルに対応できることが分かりました。
カルロス・ロシロ:
ブルーノも話しているように、
一番の大きな課題は、ブランドの根幹を維持しながらも
常に新しいものを出さないといけないことです。
我々のマーケットでは新作を求められます。
難しかったのはサイズとボリュームです。
3針モデルでは、40mmのケース径で、
機械式ムーブメントを載せ、視認性を強調するのに
文字盤の開口部をどの程度持たせ、デザインするかというバランスに悩みましたね。
◎この新しいコレクションについて最も称賛すべき点は?
質問者:このコレクションの最も称賛すべき点はどこですか?
カルロス・ロシロ:
ベル&ロスはブランドもデザインも好きで、手に入れてみたいけれど、
どれにしようか決めかねている。
または大きすぎて自分のスタイルには合わない。
と思われていた方も魅了して思わず手に取りたくなる
コレクションになったところですね。
◎BR05は、ベル&ロスのファーストユーザーのためのもの?
質問者:
BR05の巧みなデザインは常に進化し、
応用性の高さでも確固たるものがあります。
BR05は新規の顧客へ語り掛けるものでしょうか?
カルロス・ロシロ:
上の回答と少し重なるかもしれませんが、
BR05は、都市にふさわしいスクエアの腕時計です。
当初から目的として持っていたのは、
もちろん、これまでのファンの方に喜んでいただきながら、
新たにブランドを好きだけれど、
まだベル&ロスを着けたことのない方が、
都市のライフスタイルで毎日着けられるモデルを
創りたかったのです。
このインストゥルメントは、
都市の探索者ともいうべき、現代生活の様々なチャレンジに立ち向かい、
自らの時間をしっかりとコントロールし、
運命に毅然と立ち向かう都市の忙しい男性の理想的なツールなのです。
◎シースルーバックから見られるローターのデザインは、
クルマのホイールリムをイメージ
質問者:シースルーバックから見ることの出来るローターのデザインを、
車のホイールリムのようにしたのはなぜですか?
インスピレーションの基となったのは?
ブルーノ・ベラミッシュ:
機能的で装飾性があり、ひと目で分かる要素をもたらすため、
洗練さと高いデザイン性を感じさせるカスタムデザインにしました。
インスピレーションとなったのは、
スポーツカーのホイールリムです。
高級感があって洗練されたあのデザインは、
この時計には相応しいと思いました。
難しかったのは、軽さを考え、透かし彫りにした点ですが、
ムーブメント全体を覆いながらも、
透かし彫りにすることで、機能性と美観の両方を
備えることが出来ました。
いかがでしたでしょうか?
ベル&ロスのBR05の魅力が伝わりましたでしょうか?
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